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ズーミング型プレゼンテーションとは?
ズーミング型プレゼンテーションをご存知ですか?
もしかしたら、ズーミング型プレゼンテーションといえば、Preziを思いつく方がいらっしゃるかもしれません。
普段お使いのPowerPoint1やKeynoteで行うプレゼンテーションを紙芝居型だとすると、ズーミング型プレゼンテーションはカメラワークを駆使して1つのキャンバスの中で注目したい箇所にズームインしたり、ズームアウトして全体像を見せたりしながら、プレゼンを進めるスタイルです。
まずはどんなものなのか、実際に私がフリーソフトを用いて作成したズーミング型プレゼン資料をご覧下さい。下の絵をクリックするとアニメーションが動きます。
ご覧になられていかがでしょうか?
紙芝居型のスライドショーでは出来ない魅力的な表現が出来ることを感じて頂けたかと思います。
2つのフリーソフトと無料画像素材があれば、上記のようなズーミング型プレゼンテーション資料を作成することが出来ます。
そうは言っても、ソフトの使い方が難しいんじゃないの?とお思いかもしれません。
そんなことはありません!
もちろん始めは操作を学んで頂く必要はありますが、覚えてしまえば直感的な操作で、いとも簡単にズーミング型プレゼンテーション資料を作成することが出来ます。
実際慣れてしまえば、上記のプレゼン資料を作成するのに、無料画像素材のダウンロードからアニメーション作成まで30分もかかっていません。
手元に既にPDF文書、画像、イラスト、スケッチノートなどのファイルがあるのでしたら、すぐにでもズーミング型プレゼンテーション資料を作成することができます。
Prezi風プレゼン資料作成に必要なもの その1 – Sozi
まずは、Prezi風プレゼン資料作成に必要なフリーソフトSoziをインストールしましょう。
Soziは、フランスのGuillaume Savaton氏により開発されているフリーソフトで、ズーミング型プレゼンテーション編集ソフトです。
紙芝居型のプレゼンテーションとは異なり、プレゼンテーションのコンテンツを自由に配置された大きなキャンバスの中を、平行移動、ズーム、回転操作を組み合わせて、表示したいコンテンツに焦点を合わせることができます。
こちらの動画は早送りしていますが、アニメーションの設定作業にかかった時間は2分30秒程度です。プレゼンに使用する画像素材が決まりさえすれば、あっという間にズーミング型プレゼンテーション資料を作成することができます。
対応OSはmacOS/Windows/Linux、どのOSでも利用することができます。
Prezi風プレゼン資料作成に必要なもの その2 – ドローソフト
Soziでズーミング型プレゼンテーション資料を作成するには、入力ファイルとしてベクター画像であるSVGファイルを用意する必要があります。
そこで次に、ベクター画像を編集可能なドローソフトをインストールして下さい。
ここでは無料で多機能なドローソフトInkscapeを紹介致します。
既に、Adobe IllustratorやCorelDrawといった有料のドローツールをお使いでしたら、そちらをお使い頂いても構いません。SVGファイルを出力できるソフトでしたら何でも良いです。
Inkscapeも、対応OSはmacOS/Windows/Linuxと、どのOSでも利用することが出来ます。
Inkscapeが初めてリリースされたのは、今から17年前の2003年になります。しかし、その前身となるプロジェクトも含めると1999年から開発され、21年の歴史を持つソフトウェアです。
21年の時を経て、2020年5月ついに「Inkscape 1.0」が正式リリースされました!
バージョン1.0では、macOSへの対応が強化されました。macOSでは今までX Window System(XQuartz)ベースのGUIが使われていましたが、XQuartzが不要となり、Inkscapeが初めてmacOSでもネイティブ動作するようになりました。
Inkscapeのインストール方法は、私のUdemyコースの無料サンプルビデオで確認することが出来ます。(サンプルビデオを閲覧する>>>)
macOSユーザでしたら、もう一つお勧めしたいフリーソフトがあります。
それは、Vectornatorというドローツールです。
Adobe Illustratorのように高機能なので、Adobe Illustratorを始めるのは有料だしハードルが高いという方には、ドローツールの使い方を学ぶはじめの第一歩として、Vectornatorは非常に優れた今注目の無料ドローツールです。
しかも、つい最近Appleから発表された最新のM1チップにも既に対応しており、最大でも8倍以上の処理速度の向上がなされているようです。また、macOSだけでなく、iPhoneやiPadでも利用可能ですので、もしApple Pencilをお使いでしたら手書きテイストのイラストを作成することも可能です。
Prezi風プレゼン資料作成に必要なもの その3 – ベクター画像素材
私みたいなデザイナーではない人間には、ゼロからイラストを完成させるのは非常に大変な作業です。今や、様々な画像素材サイトで無料で高品質なベクター画像を提供しているので、これを使わない手は無いです。ただし、まず始めに各画像素材サイトで利用規約やライセンスの条項はよく確認してください。
今回特にお勧めしたい画像素材サイトはAdobe Stockです。
Adobe Stockはロイヤリティーフリーの写真やイラストを提供するAdobeの有料サービスです。Adobeが提供しているサービスだけあって、非常に高品質な画像やイラストをダウンロードすることが出来ます。
これまでは有料サービスしか無くて月額¥3,480〜という価格だったので、Adobe Stockはプロのデザイナー用のサービスなんだなと思っていました。ところがなんと驚くことに、2020年10月に開催されたAdobeのイベント「Adobe MAX 2020」にて、7万点以上の写真や映像、イラストなどを無料化したという発表がされました!
上で示したズーミング型プレゼンテーション資料に用いたイラストは、まさにAdobe Stockからダウンロードした無料素材になります。 プロレベルのイラストを無料で利用できるのは非常にありがたいです。
素材のダウンロードをするには、Adobe ID(無料)の登録が必要になります。
※Adobe Stockでダウンロードしたベクター画像のファイル形式はAdobe Illustrator(AI)形式になります。Inkscapeでは通常AI形式のファイルを読み込めるのですが、Adobe StockでダウンロードしたAIファイルは読み込めないことがあります。Inkscapeで読み込むためにはちょっとしたコツが必要なのですが、私のUdemyコースの中でやり方を説明しています。
まとめ
簡単にではありましたが、フリーソフトを使ってPrezi風のズーミング型プレゼンテーション資料を作成するのに必要な3つのことを説明しました。
私のUdemyコースの中では、より詳しいSoziの使い方や、他のベクター画像素材サイトの紹介、作成したズーミング型プレゼン資料のWeb公開方法などを学ぶことが出来ますので、そちらも参考にして頂けると幸いです。
最後までお読み頂き誠にありがとうございました。
藤 秀義
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